大学四年生の十二月まで就職先も決まってなかったけど、どうにかなるやと特に悩みもしなかった


自己肯定感を手に入れた私は、こんな私なんてと思わなくなった


就活が面倒で後回しにしてるうちに年末になっていて、暇だし就活するか、とそんな具合でやっと職探しを始めた


最初に受けたところの面接は、面接というより雑談だった


質問に対してちゃんと受け答えできてなかった気もしたけど、楽しかったしまあいいか、と思った


その日のうちに「ぜひうちで」と採用の電話がきた


他にも何社か受ける予定だったがそのままそこに決めて、残りの面接は消化試合だった


入った会社はIT産業のシステム屋


プログラミングなんてまるでわからないけど、研修もなく四月から現場に放り込まれた


なんとか持ち前のコミュ力でわからないことを聞きまくって、技術を身につけた


飲み会も参加しまくってとにかく顔を売って、何かあった時に少しでも「あの時の子か」と大目に見てもらえるようにした


我慢してそうしていたというより、飲み会は楽しくして仕方なかったから参加してただけだけど


現場でも本社でもよく飲みよくしゃべる私は上司たちから可愛がられた


そうしてるうちに「早く結婚したい」と思うようになった


仕事が順調で、特にストレスもなく、自分の生活基盤への不安だけが残った


元来、落ち込みやすく考えすぎやすい性格な私は表には出さないが、将来への不安、精神的不安が大きかった


ここへきてそれがまた顔を出す


結婚願望は人一倍強いのに、相手がいない


今まで一度も彼氏ができたことのない私が、これからできるのだろうか