10分後



司会が再びマイクを手に取り



「集計が完了しました。結果はスクリーンに反映されます」




ついにきたーーーーーーーーーー




思わず目をつぶってしまいそうになるが
俺はしっかりと従業員を見据える




絶対に勝たなくてはいけない。


唐突にドラムロール音が鳴り響く。




「次期社長に選ばれたのは!!」




ライトが選ばれた人を
キラキラと照らす



「社長のご子息、紀田 裕也です!!皆様、盛大な拍手を!!」



俺は信じられないような
嬉しいようなよくわからない
感覚に溺れる



会場いっぱいに広がる拍手、声援
ひとつひとつが凄く暖かくて
涙が溢れそうになったその時




「…んでだよ…なんでだよ!!」




昴さんが酷く歪んだ顔で
怒鳴り散らしたーーーーーー



さっきまで賑わっていた
拍手や声援がピタリと止まる



「なんでだよ!お前ら!!こいつより先にきて、こいつより頑張ってきただろ!?なのに何でこいつなんだよ!?」



狂ったように叫ぶ昴さん



すると俺の事をスパルタしてた
鬼上司が立ち上がって前に出た



ステージの下から俺たちを見上げるーーー。