『うん、俺とゆあちゃんとで声優が集まるバラエティ番組出て欲しいんだって、ゲストとして。先輩声優たちの番組なんだけど』



電話の向こうでやけに
楽しそうに話す日丸先輩



「いや、私からしたら日丸先輩もめちゃくちゃ先輩なんですけど!?」



あまりに信じられなくて
あたふたする私に先輩は
クスッと笑う



『いや、ゆあちゃんからしたらそーかもだけど、俺だってまだまだ新人と変わらない部類だから』




「うぅ~…嬉しいんですけど、めちゃくちゃ緊張しますね…」



『まぁ、先輩たちも気軽にいつも通りやってって言ってたし。明日、スタッフさんから詳しい説明あると思うから』




「はい、わかりました。じゃ、とりあえず明日。」




その後、二三言葉を交わしたあと
電話を切った私は興奮冷めやらぬまま
リビングに戻った




「お前、そんな慌ててどーしたんだよ」



私の様子を見てか
訝しげな顔で聞いてくる紀田



「いや、なんか今…日丸先輩から電話来たんだけど」



先程の話をしようと思って
日丸先輩の名前を口にした瞬間
さらに眉間にシワを寄せる



いや、うん…
だからどんだけ嫌いなのさ!?