*同棲*




あの遊園地の日から1ヶ月。
やって参りました、紀田のマンション。




高校の時から何度か
お邪魔してるが
あの時よりは幾分か
生活感が溢れてる



そんな紀田の部屋に
自分の私物が置かれてるのが
なんだか夢のようだ。



「はい、これ家の鍵だから。なくすなよ?」



そう言って鍵を差し出し
小馬鹿にしたように笑う



「な、なくさないよ!子供じゃないんだから!」



私が精一杯睨みつけながら
反抗すると紀田は、はいはい
と適当に返事をして
ソファに腰を下ろした。




私は、もう一度部屋を見渡して
再び幸せな気持ちに浸ると
自然と頬が緩む



今日からこのマンションで
紀田と一緒に暮らすのか…。



なんだかすっごく
ドキドキするなー。



私、こんな幸せで
いいのかなぁ…




なーんて浮かれてる
場合ではなかったーーー



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「え!?バラエティ番組に出てほしい!?」




その日の夜
とてもにわかには信じられない
内容が私の耳に飛び込んできたのだ…。