「なんで日丸先輩嫌いなの?」



って聞いても




「なんとなく」



って毎回言われるだけで…。



何を心配してるんだか知らないけど
別に私と先輩はただの仕事仲間
なんだけどなぁ…



私が口を尖らせて
拗ねたふりして
紀田の一歩後ろを
歩いてると



「あ…」



紀田が急に立ち止まる。


そのおかげで私は
そのまま紀田の背中に
顔面衝突した。



「ぶっ!…ちょ、裕也!いきなり止まんないでよ!鼻折れるかと思ったじゃん!!」



「ここ…懐かしくね?」



そうやって指差したのは
いつぞやか一緒にきた遊園地で



紀田がニヘッと
少年みたいな笑顔を
見せながら



「寄ってかね?話したいことある」



私の返事も聞かずに
優しく手を引いて
中に入って行ったーーーーーー。



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「あ、ねぇねぇ!裕也、あれ乗ろうよ!」




結局、なんだかんだ言って
数年ぶりの遊園地をたのしんでる私




「はー、本当お前子供だな。馬鹿みてーにはしゃぎやがって」




そんな私を呆れ顔で見ながら
どこか嬉しそう。



本当素直じゃないんだから…。



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しばらく遊び倒した私たちは
ちょっと疲れたので遊園地内の
カフェテラスで一休みすることにした。



「いやー、はしゃぎすぎた!お腹空いた!」



私が笑って言うと紀田は
やれやれと肩をすぼめる



2人で適当にお昼ご飯を買って
カフェテラスのイスに腰を下ろした。



しばらく他愛もない会話した後
私がふと前に遊園地に来た時の
ことを思い出して



「ねぇねぇ、そーいえばさ!」




紀田に話しかけた。