となりの紀田くん-season 2-




「ゆうや…」


昴兄さんは顔を歪ませたけど
どこか嬉しそうで


「昴兄さんには、こんなとこ似合わないよ。日本に帰ろう?」



「なんだそれ…」



差し出した俺の手を取り
フッと笑って立ち上がると



「ああ、帰ろう。要も…。でもその前に…お前はここの社長になる男だ。やること済ましてこい。」




「やること?」



昴兄さんの言葉の
意味がわからず
首を傾げる



「社長が話したいことあるって顔してるぞ」



「す、昴!!」



昴兄さんが悪戯っぽく笑いながら
言うと、父さんは勢いよく立ち上がって
恥ずかしそうに慌てふためく



その光景がなんだか面白くて
俺も自然と笑みが零れたーーーーーーー。




ーーーーーーーーーーーーーー



昴兄さんと要を先に行かせて
俺は父さんと社長室に来ていた



話したいことと言っても
特に話すようなことは
あるのだろうか?



そんなことを思いながら
父さんの後ろについていく



するといきなり振り返った父さんが



「すまなかった!!」




勢いよく頭を下げた



「え?ちょ、何?どうしたの父さん!」



あまりの唐突さにびっくりして
オロオロしてると父さんは
顔をあげて決まり悪そうに笑った


「お前にまだ謝って無かったから」



ーーーーーーーーーーーっ父さん!!