そう思ったらもう体は
動き出していて
ナイフを持っている方の手を
思い切り掴んで首から引き離そうと
するが昴さんも力を加えてそれに抵抗する
「昴さん!何考えてんですか!」
「裕也…本当ごめん。人生めちゃくちゃにして…俺が死んだら要よろしくね…。優亜ちゃん…大事にしてあげてね」
「何言ってんすか?死にませんよ!死なせません!」
「アハハ…でも、もう本当疲れた…」
そう言って俺を押し退けると
昴さんは自分の首に思い切り
刃先を当てる
「お兄ちゃん!!」
「バイバイ要」
それを引き離して
昴さんはもう一度
自分の首目掛けて
勢いよく振りかざした
ザシッュと
鈍い音がして
鮮血が滴る
でもそれは昴さんの
首からじゃなくて
鮫島上司の手から
流れていた
「さ、め、じま…」
大きく目を見開き
鮫島上司を見つめる昴さん
ナイフは思い切り
鮫島上司の手に
刺さっていて
見るだけで痛そうなのに
痛い顔ひとつせずに
怒りに満ちた顔で
「いい加減にしなさい!昴坊ちゃん!!」
昴さんを怒鳴りつけたーーーーーー。

