となりの紀田くん-season 2-




そう思ったらもう体は
動き出していて



ナイフを持っている方の手を
思い切り掴んで首から引き離そうと
するが昴さんも力を加えてそれに抵抗する



「昴さん!何考えてんですか!」



「裕也…本当ごめん。人生めちゃくちゃにして…俺が死んだら要よろしくね…。優亜ちゃん…大事にしてあげてね」



「何言ってんすか?死にませんよ!死なせません!」



「アハハ…でも、もう本当疲れた…」



そう言って俺を押し退けると
昴さんは自分の首に思い切り
刃先を当てる



「お兄ちゃん!!」


「バイバイ要」



それを引き離して
昴さんはもう一度
自分の首目掛けて
勢いよく振りかざした



ザシッュと



鈍い音がして
鮮血が滴る



でもそれは昴さんの
首からじゃなくて
鮫島上司の手から
流れていた



「さ、め、じま…」



大きく目を見開き
鮫島上司を見つめる昴さん



ナイフは思い切り
鮫島上司の手に
刺さっていて



見るだけで痛そうなのに
痛い顔ひとつせずに
怒りに満ちた顔で



「いい加減にしなさい!昴坊ちゃん!!」



昴さんを怒鳴りつけたーーーーーー。