今日も君に恋焦がれる

ハンカチを受け取ると、なんの遠慮もなく涙を拭き取った。



「ちゃんと洗って返してよ?」


それを見た琴音からはそんなことを言われ、大きく頷くと背中を優しくさすってくれた。



「でも本当にいいの?真宮くんのこと」


「もう…つらいのは嫌…。だけど一番は葵くんを自由にしてあげたい」



それが今の正直な気持ちだ。


好きだから幸せになってほしいと思う。


そう思える年齢になったんだと実感する。


若い頃のわたしはそんなこと絶対に思えなかった。


自分の恋を諦めてでも、相手の幸せを願うなんて、そんなこと絶対無理だったのに。



「だいたい真宮くんと何があったの?ちゃんと仲直りしてたよね?」