そう答えてもらったことに少し安堵する。


大丈夫。まだ可能性はある。葵くんを信じる可能性はゼロではない。



「あの…真宮くんって昨日会社に泊まったのかな?…って」



目を伏せながら遠慮気味に聞いてみる。



「俺、昨日途中で帰ったからそこまではわかんないけど…」


「…ですよね。すみません!ありがとうございました」



頭を下げ、戻ろうとすると呼び止められた。



「でも真宮は1回退社したはずだよ」



それはわたしも知っている。


きっと着替え取りに戻ってきたことを言っているんだろう。