それに、あの葵くんがしないなんて…珍しい。ううん。わたしは気づいてない振りをしたけど、本当は気づいていた。


葵くんのポケットで鳴っていたスマホのバイブ音に。


それが鳴ってからキスをやめたこと。


そして、きっとそれが昨日の女の人だということ。


こういう女の勘ってたまに邪魔だと思う。


葵くん…女の人のところに行ったんだ。なんでだろう…?


どこかでいつかは捨てられると分かっていながら、葵くんとの未来を想像していた。


葵くんと結婚して幸せな家庭を作って、素敵な老後を過ごす、って…。