<グスタフ皇国の王宮・執務室・15時20分>

グスタフ皇国のエルフは、
使い魔になると同時に、
主人となる(あるじ)
心臓を一つ奪われる。

エルフはもともと心臓が2つある。一つとられても
活動には問題はない。

しかし(あるじ)が持っている心臓を叩き壊されたら、
その時点で
エルフの命は絶たれてしまう。

エルフの命は(あるじ)が握っている。
エルフは(あるじ)に逆らうことができない。

皇帝は<受け取れ>というように
ガラス瓶をアンバーに差し出した。

「これはミエルだ」
アンバーは怒りを感じた。

<なぜ、なんで!
よりによってミエルなのか!!
なぜ父上は選んだのだ!>

父上は、自分を試しているのか?
参加者の前で、
自分に恥をかかせるつもりなのか?

怒りと困惑を必死に隠し、
アンバーはガラス瓶を持って
執務室を退出した。

アンバーが退出するのを確認すると、
皇帝は家庭教師を呼んだ。