EP.15
しっかりと話題もそこそこに私たちはプリントに取り組んだ。
簡単な設問が二十五。応用が十。
補習のプリントにしたら、かなりの問題数である。
応用問題に入るまでにみっちーは顧問としての任を終え、教室へ足を運んだ。
応用問題を解き終えるころには、街灯が弱弱しい力で道を示している。
「やっと終わったー。もう無理。動けない。腹減りすぎ。」
何度も腹の虫を呼んだ春斗が歓喜の声を上げた。
「眠い。」
頼葉はほぼ寝ている。
さすがに私も疲れが出た。
でもそれは一時間をゆうに超える談笑が無ければ、こんなことにはなっていないだろう。
「まぁ、さすがに問題多かったか。」
みっちーもあくびをし、目に水滴をうつした。
「多かったかじゃなくて多すぎたかの間違いだから。」
机に寝そべり上半身の重みを完全に預けた春斗が言う。
「でも、何回も遅刻してるし仕方ないよな。一応遅刻してないことにしてあげてるしな。」
「まぁ、それは感謝してるけどさー。さすがに多すぎなんだって!」
「じゃあ、遅刻しないように努力しろ。まずはそこからだろ。」
「いや、だってそれはさ。」
春斗は私に非を持たせることなく、話を切った。
「まぁいいや。浜辺は大学とかどうするかちゃんと考えてみろよ。」
「ねぇみっちー。それ私たちには言ってくれないの?」
ほぼ寝ている頼葉が口にした。
「まぁ頑張れよ。まだ高2になりたてだし。頑張ればどうにでもなるだろ。」
「じゃあ、真剣に勉強したら頼葉も春斗も東大に行けるってこと?」
「保証はできないけど、可能性は皆ゼロではないわけだからな。」
「そっか。そうだよね。ずっと三人で居たいし。頼葉頑張ろうかな。」
頼葉。口に出せるってすごいね。私はあの時も、引き留めようとはしなかったのに。
「頼葉。私も別に東大行くって言ってないからね?みっちーのもしも話なんだから。」
「うん。でもさ。どっちにしても沙紀に追いつくには勉強しないとだから頑張るの。」
なんでだろう。すっと言葉が降りてこない。
言いたいことがあるはずなのに。
「じゃあさ、みっちーが放課後暇なとき、また補習してよ。遅刻とか関係なくさ。」
二人はやる気に満ちていた。
なんなんだろう。この温度差。
私の場所だけが寒い。

