『俺らどちらか一人』じゃなくて、『穂希』が死ぬって、知ってたのか?




















ミクルの口ぶりから察してしまって、俺は怒りを抑えることが出来なくて、彼女を睨みつけた。

















「あぁ、わかったよ。よーくわかった。お前は死のうとする人間を見捨てる冷酷な奴だってな」















「……あれは、私のせいじゃない。美羽穂希はあの日、あの場所あの時間に真澄都生の目の前で死ぬっていう、運命だったのだから」
















「それでも……お前があらかじめ言っておいたら、穂希は……っ!」

















死んでいなかったかもしれないのに、と続けようとすると、ミクルが俺の唇に人差し指を当てた。

















「うるさい」



















「っ……」


















ミクルは不機嫌そうに眉を寄せると、ふっと息を吐いた。