馬鹿にしたような笑いに、カッと顔が熱くなった。
「え……都生こんな状況でナンパなんてしたの？」
「んなわけあるかっ。ちげーよ！」
続いて穂希まで非難の視線を浴びせてくるから、俺は慌てて訂正を入れる。
心外だ。
俺は一目ぼれなんてする性格ではないし、そもそもこんな女子が好みなわけでもない。
俺と穂希が話していると、彼女はスゥッと瞳に影を落として、こちらを見ていて。
「……なんだよ？」
「……別に」
それに気が付いて眉を寄せると、彼女はさっと顔をそむけた。
「……あぁ、そういえば言うのを忘れていた」
