どうやら穂希の知り合いでもないそうだ。
その事実を確認してから、俺は内心首を傾げた。
俺はさっき言ったようにこの女子と会ったことはないはず……なのに。
……こいつ、誰だかは知らないが、なぜか知っているような気がする。
この矛盾はなんだ……?
一度浮かんでしまった疑問を無視することはできなくて、俺は彼女に問いかけた。
「お前……俺と会ったこと、ある?」
「……」
彼女は穂希から視線を外すと、俺に視線をずらした。
まっすぐに見つめ返すと、彼女はふっと鼻で軽く笑う。
「……何。ナンパ?」
「なっ……」


