「テンション高いな―……」
「別にいいでしょ? 私の生誕祭ぞ? 盛大にお祝いするべきではないのか? ん? まさか忘れたとは言わせないけど?」
「近い近い……」
またもやぐいぐいと近づいてきた穂希を押しのけ、ため息をついた。
ちなみにうち、真澄家と美羽家は家が隣接していて、親同士もとても仲が良い。
特に俺と穂希の母親同士は幼馴染だったらしく、今でも夕食を一緒に食べたりするほどだ。
そのせいで高校二年生になった今でも毎年一緒に誕生日を祝うという行事が恒例になっていることを忘れるわけがない。
「……もう誕生日プレゼントは買ってあるから、安心しろよ」
「!」
キラキラっと急に輝きだした瞳に、言わなければよかったかなと少し後悔する。


