「とーき、一緒に帰ろ?」











「あぁ……」















放課後になるとすぐに穂希が寄ってきて、俺はぐっと伸びをした。
















「くっそ、真澄都生め……!」













「あんなにかわいい幼馴染がいるとか、ラノベの主人公かよっ……前世でどんだけ善行を積んだんだよ⁉」
















クラスメイト(主に男子)の声を華麗にスルーし、穂希は俺の髪をつまんだ。
















「都生の髪、寝ぐせついてるよ。さては授業中寝てたでしょ?」












「は? 寝ることの何が悪いんだよ」












「いや、否定しろ? 開き直るな?」












「用意するから待ってて」













「はいよ」
















俺がさっさと帰る準備を進めていると、穂希はクラスメイトの女子数人に囲まれて話をしていた。