「好きだから、だよ」













「っ……」















穂希の顔はちょうど逆光になっていて見えなかったけど、なんとなくまたあの苦し気な笑みを浮かべているんじゃないかと予想できた。
















「……好きだとしても、お前はこのままでいいのかよ?」















そう切り込むと穂希はトントンっと軽い足取りで階段を下り、俺の近くまで寄ってくる。














至近距離でにこりと微笑まれて、思わず息を詰まらせた。
















「気まずくても、つらくても、好きだから。我慢できる、我慢したいって思えるんだよ」















「……そういうもの?」















「そういうものなんだよ。……まぁ、初恋もまだの恋愛を知らない都生君にはちょっと早い話だったかな?」















俺が首を傾げると穂希は声を上げて笑い、その瞬間ふっと緊張の糸が緩む。