「あ、え……都生?」
「ほら、もう昼休み終わるぞ。はやく教室帰ろう」
穂希はあっけにとられたようにポカンと口を開き、それからハッとしたように目を瞬かせた。
「あっ……そ、そうだねっ。先輩、それじゃあ私達教室に戻りますので」
「そっか。もうそんな時間か」
高田先輩は時計にちらりと視線をやり、それから笑顔で手を振った。
「じゃあね、穂希ちゃん。また話そうね」
「……はい」
「それじゃあ、失礼します」
俺はそのまま腕を引き、階段の踊り場で穂希に声をかけられた。
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