だけど、穂希は少し頬を赤らめたままポカンとこちらを見ていて、俺は首を傾げた。
「穂希ちゃん?」
「あっ……」
穂希は高田に声をかけられると、はっと我に返り、慌てて笑みを浮かべた。
「そ、そんなんですよ~。私と都生は本当の兄弟みたいな関係で」
「へぇ……そういうの、いいよね」
高田はほんわかと柔らかく微笑む。
だけど、穂希の表情はぎこちなくて、俺は少しの違和感を覚えた。
やっぱり、穂希の反応がおかしい。
いつも明るい笑みを浮かべる唇は真一文字に引き結ばれていて、眉は困っているかのように下がっている。
……高田と話すのが、気まずいのか。
ようやくそう気が付いて、俺は弁当箱を片付け、穂希の腕を引いた。


