「た、高田先輩、なんでこんなとこにいるんですか?」
「俺今日は校舎裏でお弁当を食べたんだよね。穂希も外で食べてるの?」
「あ、はい。都生と一緒に」
「真澄くんと……ね。仲いいよね。幼馴染なんだっけ?」
「は、はい。そうです。小さい時からずっと一緒で……」
「そっか……幼馴染って言っても、男女なんだから……俺ちょっとやきもち妬いちゃうな」
「え……だ、男女の仲? いや、別に私と都生はそんなのじゃ……」
穂希はもごもごと口ごもり、俺にちらちらとせわしなく視線を送る。
穂希の救いを求めるような視線に、俺は弁当を食べる箸をおいた。
「別に俺と穂希はそんな仲じゃないですよ。それに……今日は俺が一人で食べてるのを見た穂希が可哀そうに思ってくれただけですし」
「え、そうなの? 穂希ちゃんは優しいね」
「そーですね。優しくてかわいい幼馴染がいてくれて、俺はいつも助かってますよ」
俺のその言葉を聞いた高田はニコニコと柔らかな笑みを穂希に向ける。


