それからぱっと顔を上げ、その拍子にサラリと髪が肩から滑り落ちる。
「た、高田先輩」
「やっぱり穂希ちゃんだったね」
高田は穂希に小さく手を振ると、隣に座っていた俺にもニコリと爽やかな笑みを向けた。
「真澄くんもいたんだ、こんにちは」
「……あー。どうも」
穂希だけじゃなく俺にも挨拶をするなんて律儀だこと。
いかにも好青年、優等生って感じだ。
……まあ、俺はこの爽やかな笑みさえも胡散臭く感じてしまうんだけども。
そう感じてしまう俺は汚れているんだろうか。
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