このソフトは確か、中学卒業のお祝いでもらったもののはず。
だから、今頃の俺はまだこのゲームをはじめて一か月ちょいだ。
それなのに、俺は一年ちょいやり続けた結果の技術を身につけている。
だって、いつもだったら、こんなパンチ華麗にかわしてカウンターを繰り出す穂希だもの。
この矛盾、どう説明すればいい?
「都生……このソフト、買ったばかりじゃなかった?」
「……そうだけど?」
「それなのに、随分やり慣れてるね?」
「まぁ。買ってからずっとやってたから……」
しどろもどろで答えると、穂希は俺の手をギュッと握ってくる。
「都生……」
ゴクリと息の塊を飲み込む。


