「都生ーっ!」 たのもー!と勢いよく扉が開かれて、俺はごふっと息を詰まらせた。 「……穂希。その登場の仕方はやめろ」 ドクドクドクドクととんでもないスピードで鳴る心臓を優しくさすり、穂希を振り返る。 「えへへっ、都生! ゲームしよ!」 穂希は悪びれる様子もなく笑顔を浮かべて、コントローラーを掲げた。 俺は苦笑いをして、立ち上がる。 「いいよ。スマクルでいいよな」 ……いいよ。まだ、気づかないままで。