枝を切っていると、カイルは誰かに声をかけられる。カイルが視線を前に向けると、カイルと同じようにツギハギだらけのワンピースを着た女性が手を振っていた。カイルも手を振り返し、女性の元に駆け寄る。

「カイル!」

女性は嬉しそうに笑い、カイルに抱き付く。カイルは「僕、今すごい汗かいてるよ?」と言うが女性は「いいの!」と言ってさらに強く抱き締める。カイルは諦め、女性を抱き締めて頭にキスを落とす。

女性の名前はセーラ・マーティー。カイルの幼なじみで恋人だ。

「おや、セーラも来たのかい?一緒に休憩しようか」

老人が家の中から顔を出す。手に持ったおばんには、氷の入れられたお茶が入っていた。セーラは頷き、カイルの腕を引いて椅子に座る。

「カイルが庭の手入れをするなら、私も手伝うよ」

セーラが笑顔で言い、カイルは「暑いし、こういうのは僕一人でいいよ」と言うがセーラは「手伝う」と言って聞かない。

「お前たち二人は本当にお似合いじゃな。優しいところがそっくりじゃ」