「今日も綺麗だな……」

美しく黄金色に輝く金を見つめ、カイルは恍惚とした笑みを浮かべる。金が今のカイルの全てであり、もっと富を得たいと心が欲している。

「今日できた実は全部で七粒か……。次はもう少し実っているといいな……」

金の実の数を数え、カイルは自身の羽織っている大きめのジャケットのポケットから小さなボトルを取り出す。中にはバーボンが入れられており、カイルはそれを一気に煽った。

「はぁ……。金を見ながら飲む酒は最高だな」

カイルは気付かなかった。扉を少し開け、セーラが寂しげな顔でカイルを見つめていたことを。そのままセーラは再び泣き出しそうな顔をしながら扉から離れていった。