しかし、道ばたには
男の子の存在どころか
血液ひとつ飛び散っていなくて



「え?あれ?ち、血が出てない!?え、男の子は?え?え?何が起こったの?」



「クスクス………君は面白いね。上を見て」



お兄さんが笑いながら
上を指差すから
私は自然と顔を
上にあげる



「わぁ//////」



空には蝶が舞っていて
淡く青白い光を放って
天へと昇って行く………。



思わず、その光景が
綺麗だと思ってしまった。



「綺麗でしょ?」



そんな私の心の声を
読み取ったのか
私を後ろから
抱きしめたまま



顔だけを横に出して
笑顔で聞いてくる



頭のおかしなお兄さん。


ハッ!!


今の状況をよく
考えてみろ…………。



こいつ、明らかに
変質者だろ!!



「は、離せ!変態!」


私が肘鉄を喰らわせようと
肘をつき出すと



「わぉ」



とそれを軽々しく避ける。



「変態だなんて酷いな………」



急にしゃがみこむお兄さん。
それもしゃがみ方が
なんていうかまさにあれ。



執事みたいな?



「私はアリス・レイ・バーントと申します。レイとお呼び下さい。これから貴女様に、お仕えするよう女王様に頼まれやって参りました………以後、お見知り置きを」




ニコッと笑って
手を差し出すレイ。



以外とイケメンだなー
外人なのかなー
でも日本語ペラペラだなー




って、そんなこたぁ
どうでもいい!!



今、なんつった!?
仕えるって言った!?



え?ガチで執事!?



嘘だろぉおおおおおっ!?!?