「ちょ、ちょ!お兄さん!それはマズいって!!」
私の必死の止めも虚しく
降り下ろされた鎌が
男の子の頭上に直撃
私は思いきり目を瞑った。
そして両手で顔を覆う。
「ぎぃやああああああっ!!」
悲痛な叫びが
私の耳を掠める
その惨劇が頭の中に
浮かび…………
うわっ
気持ち悪くなってきた………。
ふわっ
!?
急に包まれる体
「目を開けてご覧」
頭のおかしなお兄さんが
私を後ろから抱きしめている
それも、すごい気になるけど
いまはそんな事より……
惨劇が広がっていると知りながら
目なんて開けられるかバカたれ!
「無理!吐く!」
「大丈夫…………ほら開けてご覧」
待て待て待て待て!!!
この状況で大丈夫と
言い切れる貴方の
思考回路がわからない!!
「何が大丈……………ぶっ!?」
いきなり両手を掴まれ
顔面から離される
その瞬間
目を瞑れば
良かったのかも
しれないんだけど…………
テンパりすぎて
目を瞑るのも忘れて
辺りを見回す。
あれ?いない?
あんだけの大鎌で狩られたって
死体が消えるなんてことは
まず…………………
あり得ない!!

