1日の授業が終わり
帰り支度を済ませたレイが
私に歩み寄ってきた。



「お嬢様、夜は危険ですので明るいうちに帰りましょう」



「あのさ、レイ…。学校内で、お嬢様って言うのやめてくれない?みんなの視線(敵対視)が物凄く痛いから。あと学校では敬語もやめて…」



「と言われましても、私は執事ですので…」



「なら、これは命令よ。仮にも同い年の設定なんだから、同い年らしくして。」



「かしこまりました。」



「それに今日、日向と帰るから心配しないで。」



「日向?」



「うちの幼馴染」



「そう、それなら安心だね…」



一瞬表情を歪ませたレイ
けれど直ぐにいつもの
笑顔に戻り…



「先に帰るね」


と背を向けて歩き出した。



順応力やばいな…
あのドSフランス人



レイっていつも笑顔だけど
どこか不自然なんだよね…




レイが去り誰もいなくなった
教室で私は一人ポツンと



窓の外を見ながら
佇んでいた。



しばらくすると
教室の扉が



ガラガラと音を立てる。



「りりか、お待たせ。」


「日向遅い!!待ちくたびれた!!」



「ごめんて!!それよりさっきの事だけど…」



日向が私に近づく…




私の正面まで来た日向
夕陽のせいか頬が赤く見えたーーー