「お嬢様、行きますよ!」
「うん!!」
走り出したレイが
聖くん目掛けて鎌を振り下ろす。
それを軽々と交わし
ちょこまかと動く
カキンッカキンッと
武器がこすり合う音だけが
夜の道中に響いていたーーーーー。
「ちょこまかと目障りですね………まずは、その腕からへし折ってバラバラにしてやりましょうか?」
冷徹な声と無表情で
グロッキーな事をぬかすレイ。
兄さん怖いっす……
「ふんっ、お前ごときに何ができる?貴様ヴァンパイアの出来損ないなんだってな。」
ーーーーーーーーー!?
ヴァンパイアの出来損ない?
出来損ないって一体どういうこと?
「糞餓鬼。派手に散れ…………ダークサウンド!!!」
レイの呪文とともに
鎌に赤黒い光が宿る
そこから奏でられる
美しきメロディー
「あうっ……な、何だコレ!?………耳がっ……」
急に苦しみだした聖くんに
レイが不敵な笑みを溢す。
「苦しいでしょう?これは穢れたヴァンパイアには死ぬほど苦しい闇響(やみ)のメロディ。お嬢様、トドメです。」
「うん……!!クロスサンプラネット!!」
その言葉とともに
槍の先から黄色と橙色を帯びた
無数の雷電が生まれる……………
「いけっ!」
私の命令で一気に
動き出す雷電光
そしてそれは槍のように
鋭い刃先で聖くんに降り注ぐ
「哀れなヴァンパイアに血晶の救いがあらんことを………」
私の攻撃は見事命中し
「ぎゃああああああ!!」
悲痛な叫びと共に夜空いっぱい
青白い蝶が散らばったーーー

