今ここで契約すれば私たちは助かる。
でも契約しなければきっと私たち四人は死んでしまう…
けどもし私たちが助かったら
聖くんはどうなる?
蝶になって消えてしまうの?
でも、だとしても…
私は雪と日向を救いたい。
雪には申し訳無いけど
ヴァンパイアの聖くんより
人間の雪と日向を助けたい。
「俺を目の前に、ごちゃごちゃ喋ってるなんて、ずいぶんナメられたもんだよね。一瞬で壊してやるよ!」
そう言ってレイと私目掛けて
猛突進してくる聖くん
「………して」
「契約して!!」
「フフ……よく言えました」
そうやって嬉しそうに
笑うとカプッと私の首筋に
歯を立てる
「…………っあ」
ほんの小さな痛みに声が漏れる
直後、目眩が私を襲う
「我が主たる者、弱者を媒介とし世に悪意を向ける者たちに魔力の施しを……」
レイが呟いた瞬間
私の体からさっき
鎌から出ていたのと同じ
青白い光が放たれる
それと同時に
何だか体に
力がみなぎってくる
ような気がして…………
「ククク……とてもお似合いですよ、お嬢様…」
「………………わっ!!なにこれ!?」

