「ひ、日向!今の聞こえた!?」
「ああ!とにかく行くぞ!」
勢いよく走り出した
日向に続いて
私も走り出したーーーーー
悲鳴はすぐ近くで聞こえたから
そう遠くはないハズ
「りりか!あそこだ!……………あれは!?」
「ゆ、雪!?」
悲鳴が聞こえた場所まで向かうと
雪が誰かに捕らわれている。
「ふふ、もーう。君が悲鳴なんてあげるから始末しなきゃいけないのが二人も現れたじゃん………ん?」
急に私に視線を向ける相手を
私は精一杯睨み付けた。
よく見ればあれは
「聖くん!?」
烏麻 聖(カラスマ ヒジリ)
同じ学校で雪の彼氏。
その聖くんが何で雪を?
「聖くん何をしてるの!?」
「聖?ああ、俺の名前か。いいや違う…俺の名はヒリア。」
ヒリア?誰のこと!!
一体聖くんは何を言ってるの!?
「それより俺さぁ………」
ドスッ!!
「あうっ……」
聖くんが雪を突き飛ばして
ーーーーーーーーーー!?
思わぬ速さで私に近づく。

