BLOOD VAMPIRE




「てか王宮襲撃されて壊れたんじゃ…?女王様とかどこに帰るつもりなんだか…」



そこまで言って
あ、と声をあげる



今のは愚問だった。



「何をおっしゃいますか、お嬢様。王宮なら既に綺麗に整えられておりますよ…」



やっぱりね…
こいつらが普通
じゃないってこと
一瞬忘れてた…



「分かってる。自分でも愚問だと思った。はぁ…疲れた。レイ、夕飯の支度よろしく…」



「かしこまりました」



どんより曇った顔を
レイに向けてすぐに
私は自室へ入ったーーーーー




ーーーーーーーー



「おっはよー!」


朝から元気な雪が
走りながら私に
手を振ってきた。



「おはよー雪。そういや来週、もうコンクールの時期だね…」



「そうだった忘れてた!!今日から死ぬ気で練習しなきゃ!!」




東京都内の高校の
吹奏楽部が集まって
行われるコンクール



今年初めて
このコンクールに
参加させてもらえるらしい。




きっと長須賀部長も
必死に練習して



みんなに熱い指導を
かけてくるだろう……。