夜、玄関の前で父と星を眺めていた日のこと。

(あれ?)

家の角で、祖父の顔がこっちを覗いて見ていました。

(じーちゃん…笑ってる?)

「寒くねーかい、紅猫。」

「ん。だいじ。」

(…え?)

驚くべきことに、後ろから話し掛けてきたのは父ではなく、祖父でした。

じゃあ、あの顔は…?

「…!?」

(首が…伸びた。)

そして、さっきまで顔を覗かせていた祖父の顔は笑顔のまま、ろくろ首のように首を伸ばしたと思ったら、やがてサー…と消えてしまったのです。

はて…?私は狸にでも化かされたのでしょうか…?

開いた口がふさがりませんでした。

嘘っぽい話ですが…確かに私は、それを見ました。




ホラ、コッチニオイデ