あなたの目に私は映っていますか?

好きが募る

〖竜side〗
正直すごくムカついた。
僕が隣にいるのに茜ちゃんは兄貴にずっと夢中で兄貴に関しては弟の僕を見もしない。
僕には入れない大きな壁があるように感じた。
「何組とか言われた??」
「まだ何も聞いてない。」
まるで二人の世界にいるかのようにずっと話しながら廊下を歩いている。
周りからの視線にも一切気づかずに…
兄貴は弟の僕から見てもすごく整っている顔に長身でダメな所がない完璧な男だ。
廊下を歩いたらみんなから視線が集まるのも当然だ。そんな兄貴が羨ましくて仕方ない。
「茜ちゃん!」
「何?」
「放課後迎えに行くから一緒に帰ろうね!」
「うん!わかった〜」
「廉くんも一緒に帰ろうね!!」
また兄貴か。僕がいくら話を振っても茜ちゃんは兄貴に話を振る。
僕が最初に茜ちゃんと出会っていればなにか変わっていたのかな…

〖廉side〗
茜と久しぶりに再会した。
正直すごく嬉しかった。あの時より可愛くなっててあの時と変わらない優しい笑顔で。
でも俺は茜を好きにならないと決めている。

3年2組
今日からこのクラスに新しい仲間が加わります。
そんなことを言いながら先生は俺を教室に招き入れた。
「安部廉です。よろしくお願いします。」
簡単な挨拶だけをした。
顔を上げるとすごく驚きながらも嬉しそうな表情をしている茜の姿があった。
席を教えてもらい自分の席についた。まさかの茜の隣だった。嬉しいような複雑な気持ちに俺はなった。
「廉くんと同じクラスで隣の席なんてすごいね!よろしく!!」
すごく満面の笑みで俺に言ってきた。
「おう。」俺はそう答えて机に伏せた。

〖茜side〗
廉くんと同じクラスになれてすごく嬉しかった。
でもやっぱり廉くんはみんなからの視線を受けている。それが嫌なのだろう。机に伏せて顔を全然あげない。もっと話したいのにと思いながらも廉くんのことを想って話しかけるのはやめた。
今日1日廉くんは誰とも話すことなくずっと机に伏せていた。
「茜ちゃん帰ろ〜!!」
「竜!かえろかえろ!」「廉くんも帰ろ〜!」
「俺はいい。この後用事あるから。」
「そっか…わかった!」
用事ってなんだろ。てか廉くんが冷たい気がする。気のせいかな…

〖竜side〗
茜ちゃんに帰ろうと言われて兄貴は断っていた。
どうせ僕が一緒なのが気に食わないんだろう。
でも茜ちゃんは気にする様子もなく僕に話し始めた。
「廉くんと同じクラスでしかも隣の席なの!!嬉しすぎる〜!!やっぱり運命かな〜」
運命か…運命なんてほんとにあるのかな
「よかったね」
僕はこんな言葉しか返すことができなかった。
上手く笑えてるかも分からない。
なんで茜ちゃんはそんなに兄貴がいいんだろうか。僕じゃダメですか?