今日は記念日




学校に行ったら、きっと楓が俺に何か言ってくるだろう



だが俺は、家で休養中



この大事な日に、見事に風邪を引いた



「くそ……」



俺の声は、誰にも聞かれることなく消えていく



楓……寂しがるだろうな……



ベッドでゴロゴロと漫画を読んでいると、外からかすかに人の声が聞こえた



昔から耳がいい俺には少し遠くの音だってちゃんと聞こえる



不思議に思い、窓から外を覗いて見れば……




「……はっ?」



男に口を抑えられもがく俺の愛しい彼女、楓の姿



そこからはあまり覚えていない