「カウント14で、私も同じモノが表示されてた」

森先輩は敦子の腕の中で言った。

「……これ、なんかの機械だよな」

「そうだよね、放送室とかにある奴と似てるよね」

山岡は言ってケータイを敦子にも見せた。

「暗い……床……音響施設……」

俺は前に表示されていたフローリングと合わせて考えながら、当てはまりそうな場所を頭の中で探した。

どこかに接点があるはずだ。

「ライブハウス、放送室、ホール……」

「ライブハウス?あぁ、たしかに音響あるよね。暗いし。そう言われれば……15の待ち受けも、14の待ち受けもそんな風に見えなくもないかな?」

「画面の暗さとか色の雰囲気からして、2つとも同じトコに違いないんだけどな……」

俺と敦子の会話を遮るように、青白い顔の森先輩が手を挙げた。

「敦子、ごめん……私ちょっと起きてるのが辛くなってきた……耳鳴りする」

気が付けば時計は早朝4時を過ぎていた。

「あ、そうですよね、しっかり寝ないと……ヘロヘロじゃ何も考えられないし」

「とりあえず寝ようか」

山岡は言って立ち上がった。

「うん。潤、隣の部屋から布団持ってきてよ」

「……お前持ってこいよ」

「疲れ切った女子に仕事させないでよ、最悪」

敦子が言って、森先輩をベッドへ寝かせた。

折りたたみの机を部屋の角へよける山岡に視線を投げながら、しょうがないとため息をした。

「あ、もちろん潤は隣の部屋で寝てよね、入ってきたら殺すから」



……





すでに言い返す気力すら失せていた。