√セッテン

考え事をしながら歩いていると、敦子の家にすぐ着いた。

電話を入れると、敦子たちはまだ起きているようで、俺は靴を脱いで飯島家の2階へ向かった。


「何か分かったことあるか?」

女子3人は今流行のホワイトカレーを食べていた。

遅い夕飯と言った様子だった。

「それより潤、ムーントピックどうだった?」

「あぁ、河田連れて行ったんだけど、立幸館の3年生2人組に会った」

「え?だれ?」

「堀口俊彦って人と渋谷景って人、渋谷景の方は、山岸の友達」

森先輩がぴく、と反応した。

「死の待ち受けは?」

「渋谷景に出てる。でも信じたくないって態度だった。頑なだったよ。よっぽど怖かったんだろうな」

「残りはあと、何日だったの……?」

「あと、1日……」

「私と、同じようなものね」

「渋谷景の待ち受けは、ムーントピックで死んだ池谷から伝染したのは間違いないね」

「こっちも、新しく分かったことがあるよ」

敦子は言ってラッシーを飲む。

「死の待ち受け、発信と、着信に関係あるみたい」

山岡は言ってケータイを見せた。

「どうして分ったんだ?」

「消せないのよ、発信履歴と着信履歴」

森先輩が言って重いため息をする。

動揺を隠せない様子だった。

「クリア、とかそういうのが使えないの」

敦子も言って自分のケータイを見た。