美鶴
絵里子
千恵
櫻井
ぉ友達
高校友
家族
バイト
サクル


……なんつーか

はっちゃけたアドレス帳だな。

「サークルって、長谷川なんか入ってたのか?長谷川って帰宅部じゃなかったっけ」

「ギャルサーなの、ハッピースタンドって言って立幸館の人が多くて、バーベキューしたり、他の高校のサークルとイベントやったりするの。よく二条駅前マックでミーツしてた。私も一度、沙織と絵里子に連れられて行ったことがある」

あ、そういうサークルな。

俺は死の待ち受け画面の特集を組んでた記事に書いてあった、怪しいオカルトサークルを想像していた。

ま、フツーの女子高生はそんなモンには入らないよな。

さすがにメールまで見る気にはなれず、山岡にお願いした。

送信・受信メールを見る山岡の瞳に涙が浮かんだ。

自分に向けて送ったメールもあるだろうし、

山岡が長谷川沙織に送ったメールもあるだろう。

「変なメールとかは、全然ない……普通のメールばっかりだよ」

そっか。

「美鶴さんって子によくメールしてる、沙織が死んじゃったこと、連絡した方がいいかな……最後の発信も美鶴さんだ……」

「……そうだな……」

「それに画像フォルダにも、この待ち受けの画像保存されてない。どこを参照して表示してるんだろう。怖いね」

ケータイの中、付属のメモリースティックの中まで隅々調べたが

長谷川沙織の待ち受けに表示されているこの「死の待ち受け」はどこにも保存されていなかった。

「……分からないことばっかりだね」

「1つづつ解いていけばいいんだ、それにちゃんと分かったことだってある」

「え?」

山岡は顔を上げて俺を見た。

俺は自分のケータイの待ち受けを見せる。

デジタルクロックが、すでに夜の9時30分を指していた。


「15時間後には、死なない」

時間を忘れて討論していたことに、やっと山岡は気づいた。

「カウントダウンは、日で変わる」