秋もすぎて、冬に入る頃
アトランタムックで編集者のアルバイトをしていた俺の手元に1冊の雑誌が手渡された。
「これが発行されるまで、って約束だったんだよな。霧島も喜んでるよ」
手渡された雑誌は、アトランタ
表紙は特色の指定が入った豪華な装丁になっていた。
「なぁ、黒沢、お前このままここで働かないか? 試験勉強入るまででいいから」
俺を懇意にしてくれている秋山さんの言葉を半分くらい無視して中を見る。
目次のページを見る。
大きな特集字の下、125ページ
そこには
「都市伝説の結末 死の待ち受け ライター/霧島悠太」
と書かれていた。
記事は何度も何度も校正して読んでいたから、今さら確認するつもりもなかった。
静かに雑誌を閉じて顔を上げる。
「いいですよ、ここに残っても。だた」
「うん?」
俺は手元のモレスキンの手帳を閉じた。
「記者の名前、霧島悠太って名前でお願いします。本名でこんな怪しい雑誌で記事なんて書けませんよ」
秋山正治はぷ、と笑った。
俺も同じように笑って、アトランタをカバンへしまった。
俺の退屈な、そしていつも通りの過程が
今日もまた…………はじまる。
<√セッテン・終>
Thank you.
アトランタムックで編集者のアルバイトをしていた俺の手元に1冊の雑誌が手渡された。
「これが発行されるまで、って約束だったんだよな。霧島も喜んでるよ」
手渡された雑誌は、アトランタ
表紙は特色の指定が入った豪華な装丁になっていた。
「なぁ、黒沢、お前このままここで働かないか? 試験勉強入るまででいいから」
俺を懇意にしてくれている秋山さんの言葉を半分くらい無視して中を見る。
目次のページを見る。
大きな特集字の下、125ページ
そこには
「都市伝説の結末 死の待ち受け ライター/霧島悠太」
と書かれていた。
記事は何度も何度も校正して読んでいたから、今さら確認するつもりもなかった。
静かに雑誌を閉じて顔を上げる。
「いいですよ、ここに残っても。だた」
「うん?」
俺は手元のモレスキンの手帳を閉じた。
「記者の名前、霧島悠太って名前でお願いします。本名でこんな怪しい雑誌で記事なんて書けませんよ」
秋山正治はぷ、と笑った。
俺も同じように笑って、アトランタをカバンへしまった。
俺の退屈な、そしていつも通りの過程が
今日もまた…………はじまる。
<√セッテン・終>
Thank you.


