「でも、山岸さんは、池谷さんとは直接の知り合いじゃなくて、池谷さんの親友繋がりな訳でしょ?」

敦子の言葉に、山岡がもう1枚ペーパーナプキンを引っ張り出して図を修正する。

┌甘川┐ 
│吉沢│
└池谷┘   

 ↓

┌ 森  ┐ 
│   │
└(親友)┘  

 ↓

┌山 岸┐
│長谷川│
└山 岡┘


「その親友さんは、大丈夫なのかな」

「分からない、私は知り合いじゃなかったから。でもこの調子だと絶対危険な領域だよね」

池谷の親友、山岸の知り合い

この流れでいくと、あたってみた方がよさそうだな。

もしそれで……死の待ち受けが表示されているとしたら

線は1本になる。

ただ、何の法則に従ってその1本になるのかまでは分からない。

死の待ち受けの表示の媒体が、ケータイと言うだけだ。

だが、その謎の法則解明のために、俺は長谷川沙織のケータイを今持ってる。

テーブルの上に、長谷川沙織のケータイを置く。

いつ見ても不気味な死の待ち受けを確認した。

「……」

敦子も山岡も、黙り込んでいる。

「こ、この待ち受けさ、カウントが"0"になっても変更できないのかな」

山岡は言ってケータイを手に取る。

「いつまでもこんな画面じゃ、沙織がかわいそうだよ」

「それもそうだね、もうカウントダウン終わってるんだし、切り替えできたっていいよね」

敦子も隣の山岡を覗き込む。

ケータイのボタン音がして、2人は難しそうな顔をした。