俺たちは場所を私鉄H線の西院駅にある喫茶店へ移した。

学校から一番近い私鉄のH線を使って学校へくる学生も多く、駅前には学生向けの店がS線より多く点在していた。

表示されたら死ぬと分った今、山岡を1人で放り出すことはできない。

オレンジジュースを頼み、女子2人のカフェモカを頼む。

人のことは何も言えないが女子という生き物は

甘ったるいカフェモカをよく平気な顔して飲めるもんだ。

「ねぇ」

敦子が話を切り出した。

「甘川先輩と一緒にムーントピックで亡くなった人って誰だか知ってる?」

「たしかうちの先輩を含め、3人だったよな」

「立幸館高校の吉沢さんって人と、池谷さんって人だよ」

山岡が言って視線を落とす。

「絵里子の友達がね、池谷さんの親友だったんだって。だから絵里子、死の待ち受けとか、この噂にはちょっと詳しかった」

それがまさか、自分に死の待ち受けが現れるなんて思ってもみなかっただろうな。

「じゃあ、とりあえず死の待ち受けはアトランダムに表示されてるわけじゃないんだな」

「私たちが把握してる分だとね」

「つまり、こういうことだろ……?」


┌甘川┐ 
│吉沢│
└池谷┘   

 ↓

┌ 森 ┐ 
└山岸┘  

 ↓

┌長谷川┐
└山 岡┘

手元のペーパーナプキンに、ペンで走り書きをする。