死の待ち受け、カウント6で示していた、空っぽの空間が

俺の視界にも広がる。

天井を見上げれば、カウント7で映っていた照明が

暗闇の中で少しだけにぶ光りしていた。

明かり取りの小さな天窓から、少しだけ明かりが差込む。

俺は差込んだ光に誘われて、外を見た。

天窓は丁度、1階の地面スレスレの場所にあり

月は見えなかった。


「じゅ! 潤ッッ」


敦子の悲鳴に似た呼び声がホールに響いて、驚いて全員が敦子に振り返った。


敦子は入り口に立ったまま、まっすぐにステージの方を見て唇を震わせた。


敦子の黒い瞳を追う。

全員が息をするのを忘れた。



差込んだ光が、ボンヤリとあたりを照らして











中央の柱の陰影を刻みだした。











蔵持七海の、亡骸だった。