しかし、(イメージ写真)とか書いてあるあたり微妙だ。

『彼らが何かの怪しいサークルに所属していたという情報はまだ入手していないが、死を撒き散らす待ち受け画像は今も広がり続けている』

俺は途中で読むのをストップした。

俺は試験勉強しに来てるんだ。

オカルト雑誌をのんびり読むために放課後を潰しにきてるわけじゃない。


書架に雑誌を戻して、席に戻る。

数学ばっかりやってないで、そろそろ物理でもやるか。今回は範囲が広かったっけ……


「いた……!黒沢君っ!」

ガラ、と図書室の入り口が開く。

「……山岡」

声は山岸絵里子の親友

山岡だった。

「黒沢君、探してたんだよ」

「え? 俺今日、掃除当番だっけ?」

違う、と山岡は首を横に振った。

急に風が涼しくなったと思ったら、夕立だ。

サ、という涼しげな音を背景に、山岡が俺に近づいた。

「ごめん、ちょっと話できる?」

「何? 別にいいけど」

幸い図書室にヒトは少ないし

席に戻ると、山岡は俺の向かいに座って、居心地が悪そうに俺を見た。

「黒沢君、死の待ち受けの話、知ってるよ、ね?」

「あぁ、ちょっとなら。うさんくさいやつだろ」

視線を雑誌の書架へ投げる。

山岡は小さく頷いた。

「……どうしよう、あれが、本当だったら」