目の前でチカチカする信号が、霧島悠太の背中と重なる。

「でも、あくまで推測です、メールと女子のカンで決定づけるのは」

「そうだな」

「……真実を知っている七海を捜そう」

霧島悠太は活気づく商店街を横目に堀口俊彦に答える。

「そうですね」

「探索、手分けしますか? 俺、地図印刷してきました」

堀口俊彦が言って地図を手渡してきた。

立幸館高校を中心とした地図。

頭の中の二条の地図と重ねて、位置と東西南北を把握する。

「ここをまっすぐ行けば鳴海で、そこから南に白砂海岸ですか?」

「そうだ。お前地図見るの得意なタイプか、助かる」

「僕が苦手だよ」

霧島悠太は悪びれなく言って笑った。

「じゃあ堀口さん、霧島さんと一緒に回って下さい、俺1人で回ります」

「黒沢君がガイドしてくれると嬉しいんだけど」

「俺?」

「あまり君と2人で一緒に探索してないだろう」

霧島悠太は堀口俊彦、山岡と一緒に探索に回ったことはあるが、たしかに俺と2人で回ったことはなかった。

大体、堀口俊彦や山岡がいて3人か4人で回っていた。

「途中まで、分担エリアに入るまで案内してくれると助かるな。くれぐれも無理しないように、何かあったら電話だね。あと、この地図以外のエリアに出ないように」

霧島悠太が、胸ポケットのペンを引き出して、地図を3等分する。

「この地域は黒沢君。途中のこっちからは僕、向い側は堀口君でいいかな」

「了解です。黒沢、途中まで霧島さんナビ、大丈夫か?」

「問題ないです」

「じゃ、夕方6時に、さっきの喫茶店で待ち合わせ。いいかな?」

 霧島悠太が時計を見て言う。

 俺も手元の時計を見て確認する。

 現在時刻13時55分