√セッテン

「山岡、ほら」

山岡がよく昼に飲んでいた、いちごみるく。

手に取ろうとしないので、机に置いた。


山岡の隣の席の椅子を引いて、座る。

泣いて真っ赤になった、山岡の顔が見えた。


「…………潤」



「何?」




「私、潤が、好き」




目線があったその瞬間に、山岡が言った。

「潤、困るよね? 分ってるけど、やっぱり好きだよ。ごめん、みんなに迷惑なのも分ってるけど、でも好き」

山岡は言ってまた、泣き出した。

「ごめん、ごめん……っでも好きなの」

「………山岡」

「潤がこんなに親切にしてくれてるの、死の待ち受けが出てるから、可哀想だと思ってくれてるからだって分ってる」


なんだ

なんで急にこんな話になってるんだ


「今は、可哀想だって思って傍にいてくれるだけでもいい。だけど、気持ちは知ってて欲しい。それ以上は望んだりしない、私のワガママなの、だから、ゴメン」

山岡は言ってカバンを掴むと、教室を出ようと歩き出す。

「おい、ちょっと待て」

「ごめん、今日はもう……」

「そうじゃないだろ」

急いで山岡を引き留める。

掴んだ腕は、予想以上に細くて、力を込めすぎていて痛みさえ与えていた気がした。