√セッテン

翌日登校すると、河田から激しい1発がお見舞いされた。

英語Ⅱの教科書の、なんとも言い難い厚みで後頭部を一発。

また、いくつか脳細胞が死んだ。

「お前、最近やること過激だっつの! ダブルお泊まりだったんだとぉぉ?!」

「……」

「おい、こら、スルーすな」

叩かれた後頭部をさすりながら、保健室へ行く準備を始める。

祝日はこいつも借り出してライブハウスを探せばよかった。

電話をしても圏外だったので放置したが

こいつほど活発に動いてくれる奴も他にはいなかったのに。


昨日、女子2人が帰った後の夕刻。

霧島悠太を呼んで、ライブをしたことのある場所は全て回ったが、そこに蔵持七海の姿はなかった。

霧島悠太も、2度、3度確認はしたそうだ。

ライブハウスのオーナーも、蔵持七海の姿は見ていないという。

かなりの時間を潰したが、蔵持七海の「く」の字も出てこない。

今日も試験が終わったら、ライブハウスを捜索することになっていた。


「河田、お前今日の放課後は?」

「ノットフリー!悪いが用が入ってる」

ここぞって時に使えないな。

ま、しょうがない。

蔵持七海の情報を掴んだら知らせろと伝えておく。

2Dを覗くが、敦子はいなかった。

もう保健室に行ったのだろうか。


階段へ向かうと、上の階からひどく急いだ足音が聞こえて、思わず視線を投げる。

階段を降りてきたのは、山岡だった。