√セッテン

「……それは僕にも分らない。そもそもなぜ死ぬのか、その原理もイマイチ、ね」

霧島悠太は言って一息ついた。

「死の待ち受けの死の宣告には『私』とあります。彼女自身がメッセージを発している、死を予言していることには違いないと俺は思います。」

「・・・・・・」

「それに、『私、死ぬの』って書いています。もしかしたら……」

立て続けに疑問を投げてみたが、霧島悠太は黙り込んだままだ。

思考回路がショートしたのではなく、考えたくないだけかもしれない。

「……七海は、人を殺したりしない、死んだりしてない」

「どのみち、彼女を見つけることでしか、死の待ち受けから回避する方法は見つからない、ということですね」

俺は言ってゆっくりと席を立った。

「今日はありがとうございました。あなたにお会いして話ができてよかった。目的に差異があったとしても、お互い辿り着きたい答は同じですね」

その計算方法が、俺とこの人は違うのだろうが。


だが、出てくる答は同じ。


「蔵持七海を見つけましょう。俺にも、霧島さんにも時間がない」

答への筋道は開かれた。

あとは解くための計算を進めるだけ。

「共同戦線で行きましょう」

俺の言葉に、霧島悠太は小さく頷いた。