「ハッピースタンドというサークルの掲示板に霧島という名前で、投稿がされています。内容は都市伝説に関しての情報収集、メールアドレスはタナトスの館の管理人のものです」
「それでその霧島が僕だと?」
「サイエンス社の自然科学雑誌……アトランタの最新号の死の待ち受けの記事を、あなたが書いてます」
俺は言ってカバンから図書室でくすねた雑誌を出した。
「俺が調べた限りでは、死の待ち受けについて記事を書いているのはあなただけ。
他の記者はまだ都市伝説とも思ってないし、むしろこんなものが世間に出回っているなんて気づいてもいない」
すでに持ち主のいない山岸絵里子のケータイをテーブルに置いた。
ケータイには赤い字で数字の"0"が点滅している。
霧島悠太の瞳の中がきらりと輝いた。
「これが、死の待ち受け、本物かい」
「そうです。もう持ち主は亡くなってます」
俺の言葉に、ケータイを触ろうとした霧島悠太の手が止まる。
「ムーントピックで死んだ3人の他に、俺が知ってるだけでも2人が死んでます。俺の知らないところでそれはもっと、しかも確実に増えてる」
俺は山岸のケータイを下げた。
「あなたは、タナトスの館の管理人ですね?」
「…………そうだよ」
聞きたい言葉が聞けた。
答えに向かって一歩進んだ感覚に、ぐっと手を握りしめた。
「たしかに僕は、タナトスの館の管理人だ」
霧島悠太は、足を組み直した。
「死の待ち受けを、回避できる方法を知りませんか?」
「残念だけど、僕のところにそこまでの情報は集まっていないよ」
落胆する俺の視線を覆うように、紫煙がかすめた。
「黒沢君、キミは夢ってあるかな」
突然、霧島悠太が話を切り出した。
「……?……ありません」
「それでその霧島が僕だと?」
「サイエンス社の自然科学雑誌……アトランタの最新号の死の待ち受けの記事を、あなたが書いてます」
俺は言ってカバンから図書室でくすねた雑誌を出した。
「俺が調べた限りでは、死の待ち受けについて記事を書いているのはあなただけ。
他の記者はまだ都市伝説とも思ってないし、むしろこんなものが世間に出回っているなんて気づいてもいない」
すでに持ち主のいない山岸絵里子のケータイをテーブルに置いた。
ケータイには赤い字で数字の"0"が点滅している。
霧島悠太の瞳の中がきらりと輝いた。
「これが、死の待ち受け、本物かい」
「そうです。もう持ち主は亡くなってます」
俺の言葉に、ケータイを触ろうとした霧島悠太の手が止まる。
「ムーントピックで死んだ3人の他に、俺が知ってるだけでも2人が死んでます。俺の知らないところでそれはもっと、しかも確実に増えてる」
俺は山岸のケータイを下げた。
「あなたは、タナトスの館の管理人ですね?」
「…………そうだよ」
聞きたい言葉が聞けた。
答えに向かって一歩進んだ感覚に、ぐっと手を握りしめた。
「たしかに僕は、タナトスの館の管理人だ」
霧島悠太は、足を組み直した。
「死の待ち受けを、回避できる方法を知りませんか?」
「残念だけど、僕のところにそこまでの情報は集まっていないよ」
落胆する俺の視線を覆うように、紫煙がかすめた。
「黒沢君、キミは夢ってあるかな」
突然、霧島悠太が話を切り出した。
「……?……ありません」