「は、なしてっ!止めないって言ったじゃんっ!」 「……っ、」 俺は、押し倒すかたちをとって、なんとか彼女を落ち着かせようとした。 「……目の前で死のうとしてる奴がいんのに、止めないバカがどこにいんだよ……っ」 すると彼女は、静かに涙を流した。 「……今だけ、そんな優しいこと言わないでよ……っ」 「……今だけじゃねぇよ。一時の感情だけで俺が他人にここまでするかよ……っ」